頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんへるにあ)
概要
中高年の男性に起こることが多いです。首の骨と骨の間にある「椎間板」というクッションの役割をしている組織の変性により、中心にある髄核(ずいかく)が外へ飛び出し、その後ろにある脊髄や神経を圧迫すことで症状がでます。
症状
- 片方の手や腕のしびれや痛み
- 肩や背中の痛み
進行すると手足に力が入りづらくなったり、ふらついてうまく歩けない(歩行障害)、排尿障害が出ることもあります。
診断
- 身体診察で神経症状や麻痺の有無を確認
- X線(レントゲン)検査で骨の変化を評価
- MRI検査で椎間板の脱出や神経圧迫の状態を確認し、確定診断
治療
頚椎の安静が基本です(頚椎カラーを装着する場合もあります)
消炎鎮痛剤・筋弛緩剤の投与
症状に応じて頚椎牽引療法を行うこともあるります
手のしびれや痛みに対しては神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン)やビタミンB12製剤などの薬物療法
枕の高さの調整(低すぎて首が反り返らないように注意)など、日常生活の指導も重要です。
多くは保存療法(手術をしない治療)で改善しますが、次のような場合には手術が必要になることがあります。
- 保存療法を続けても改善しない場合
- 手足の麻痺や歩行障害が進行している
- 排尿障害が出ている
頚椎椎間板ヘルニアは適切な安静と治療により多くが回復します。しかし、しびれや力の入りにくさが続く場合は早めに整形外科を受診し、神経の圧迫が進行しないようにすることが大切です。
