腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
概要
背骨の中には、脊髄(せきずい)や神経の通り道である「脊柱管」があります。加齢によって椎間板が膨らんだり、骨や靱帯が厚くなることでこの脊柱管が狭くなり、中を通る神経が圧迫されて腰や足の痛み・しびれを引き起こす病気です。
中高年以降に多く見られ、特に立ったり歩いたりしたときに症状が出やすいのが特徴です。
症状
- 腰の痛み
- 足のしびれや痛み
- 一定時間歩くと痛みやしびれで歩けなくなり、休むとまた歩ける(間欠性跛行)
- 足に力が入りにくい(筋力低下)
- 尿や便が出にくい(膀胱直腸障害)
間欠性跛行はこの病気の典型的な症状で、前かがみになると神経の圧迫が和らぎ歩きやすくなる特徴があります。
診断
- 身体診察で症状の確認
- X線(レントゲン)検査で骨の変形や不安定性を確認
- MRI検査で脊柱管の狭さや神経の圧迫状態を詳しく評価
治療
保存療法
多くの方は保存療法(手術をしない治療)で改善します。
- 消炎鎮痛薬で炎症を抑えて痛みを和らげる
- 神経痛を和らげる薬で神経の刺激を軽減し、しびれや痛みを改善
- 血管拡張薬で血流を改善し、神経の回復を促す
症状が重たい場合はブロック注射(仙骨硬膜外ブロックなど)を行うこともあります
リハビリでは、姿勢改善や体幹の安定性を高めるストレッチ・筋力訓練を行います
手術療法
数か月の保存療法で改善がみられない場合や、以下のような症状があるときは手術が検討されます。
- 生活に支障をきたすほどの強い痛み
- 間欠性跛行が悪化し、5〜10分しか歩けない
- 足の筋力低下や麻痺が進行している
- 膀胱直腸障害(尿・便の排出障害)が出ている
手術では、圧迫された神経を開放する除圧術が行われ、症状の改善が期待できます。
日常生活の工夫
- 長時間の立位や歩行を避け、こまめに休む
- 前かがみ姿勢(自転車の姿勢など)は痛みを軽減することがある
- 体幹や背筋のストレッチを継続する
- 冷えを防ぎ、血流をよくする
腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴い誰にでも起こりうる病気です。早めに診断し、症状に合わせた治療を行うことで進行を防ぎ、快適な日常生活を維持することができます。
