大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)
概要
大腿骨頭壊死症は、股関節の骨(大腿骨頭)に血流が行かなくなり、骨が壊死してしまう病気です。原因がはっきりしないことが多く、難病指定の特定疾患に含まれます。
男女ともに発症しますが、男性にやや多くみられます。明確な原因は不明ですが、男性ではアルコール多飲、女性ではステロイド薬の長期内服が危険因子とされています。壊死した骨は次第に潰れて変形し、二次性の変形性股関節症へ進行することがあります。
症状
- 股関節の痛みが突然出現する
- 体重をかけると股関節が痛む
- 歩行時に痛みが強くなる
- 股関節の動きが悪くなる
診断
X線(レントゲン)検査で骨頭の形の変化や圧壊を確認
骨頭壊死が疑われる場合は、MRI検査で確定診断を行います
MRIでは早期の段階でも壊死範囲を詳しく確認できます。
治療
治療法は病期や壊死の範囲によって異なります。
初期の段階では、経過観察と安静が中心になります。定期的にレントゲンを撮影し、進行の有無を確認します。痛みが強い場合は、杖の使用や体重を分散させる工夫を行います。
骨頭が潰れ始めた状態では股関節の変形を防ぐために手術療法が必要になることがあります。手術が必要と判断された場合は、股関節専門医による手術(骨切り術や人工股関節置換術など)が検討されます。
早期発見・早期治療が重要です。
アルコールの過剰摂取やステロイドの長期使用はできる限り避けるようにしましょう。早期に発見し適切に治療を行うことで、進行を抑えることができます。股関節の痛みが続く場合は、放置せず早めに整形外科を受診してください。
