大腿骨頭すべり症(だいたいこっとうすべりしょう)
概要
大腿骨頭すべり症は、太ももの骨(大腿骨)の先端(大腿骨頭)が骨端線の部分でずれてしまう病気です。小学生〜中学生の男児に多くみられ、特に体格のしっかりしたお子さんに発症しやすい傾向があります。内分泌異常(ホルモンバランスの変化)や肥満との関連が指摘されていますが、明確な原因はまだ分かっていません。骨頭のずれ(すべり)が進行すると、関節の形が変形し、将来的に変形性股関節症の原因となることがあります。
症状
- ケガをしていないのに股関節の痛みが出る
- 痛みが太ももや膝に出ることもあり、「膝が痛い」と訴える場合もある
- 歩くと痛い、びっこを引く(跛行)
- 痛みのために走れない、体育を嫌がる
- 股関節の動きが悪くなる(特に内旋・屈曲)
初期は軽い痛みや歩き方の変化だけの場合もあり、見逃されることがあります。
診断
- 身体診察で痛みの部位や股関節の動きを確認
- X線(レントゲン)検査で大腿骨頭のすべり(変位)を確認
- ごく初期では変化がわかりにくい場合があり、MRI検査で補助的に評価することもあります
早期発見ができると、骨の変形を防ぐ治療が行いやすくなります。
治療
治療は手術療法が基本です。
保存療法(装具や安静)では進行を止めることが難しいため、早期に専門医療機関での手術が推奨されます。
- 軽症例:すべりが進行しないように、骨頭をスクリューで固定する内固定術を行います。
- 重症例(すべりが高度):変形を矯正するために大腿骨骨切り術などを行うことがあります。
経過と生活上の注意
早期発見・早期治療が何より大切です。骨のすべりが進むと、将来的な関節変形につながります。小児では、痛みをうまく伝えられないことがあります。「びっこを引く」「片足をかばって歩く」などの様子があれば、早めに整形外科を受診してください。片側に起こった場合、もう一方の股関節にも発症することがあるため注意が必要です。
