半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
概要
膝関節の中には、半月板(はんげつばん)という組織があり、衝撃を吸収し、関節の安定性を保つクッションの役割をしています。この半月板がスポーツなどで強い力が加わったときや、加齢による変性(すり減り)によって損傷すると、膝をひねったり体重をかけた際に痛みや引っかかり感が出現します。放置すると関節軟骨への負担が増え、変形性膝関節症に進行することもあります。
症状
- 膝をケガしてから痛みや腫れが出る
- 膝の中で「ひっかかる」「引っかき音がする」感じ(クリック感)
- 膝の曲げ伸ばしができなくなる(ロッキング)
- スポーツや階段昇降などで膝に痛みが出る
診断
- 身体診察で痛みの部位や膝の可動域、安定性を確認
- X線(レントゲン)検査で骨折や変形を除外
- MRI検査で半月板の損傷部位・形態を確認し、確定診断します
治療
損傷の部位と程度によって治療法が異なります。
保存療法(軽症・外側1/3の損傷)
- 半月板の外側1/3には血流があるため、自然治癒の可能性があります。
- 局所の安静(スポーツ・重労働の制限)
- 消炎鎮痛薬による痛み・炎症の軽減
- リハビリテーション(大腿四頭筋訓練など)で膝の安定性を回復
手術療法(中央部〜内側2/3の損傷)
この部分は血流が乏しく自然治癒が難しいため、関節鏡下手術が選択されます。
- 部分切除術:傷んだ半月板の一部を取り除く
- 縫合術:損傷部を縫い合わせて修復(若年者や新鮮例で選択)
手術は小さな切開で行われ、術後は早期からリハビリを行います。
リハビリと経過
手術法によりますが、スポーツ復帰までは約3〜6か月が目安です。
保存療法でも改善が見られる場合が多く、日常生活への復帰は比較的早いです。
予防と生活の工夫
- 急な方向転換や無理な膝のひねり動作を避ける
- 太ももの筋力を鍛えて関節を安定させる
- ストレッチで膝周囲の柔軟性を維持する
半月板損傷はスポーツ選手だけでなく、中高年にも多い疾患です。早期診断と適切な治療で、関節の機能を保ち再発を防ぐことができます。膝の痛みや引っかかりを感じたら、無理をせず整形外科を受診してください。
