アキレス腱断裂(あきれすけんだんれつ)
概要
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)と踵(かかと)をつなぐ太い腱で、歩く・走る・ジャンプするといった動作に欠かせない重要な腱です。この腱が急な力の負荷(踏ん張り・ジャンプの着地など)で切れてしまうのがアキレス腱断裂です。特に中高年の方がスポーツ中に受傷することが多く、バレーボール、テニス、バスケットボールなどのスポーツ中に発症しやすい傾向があります。
症状
- スポーツ中に「後ろから蹴られたような衝撃」を感じる
- 「ブチッ」と音がする(断裂音)
- 直後から足の痛みで歩けなくなる
- つま先立ちができない、ふくらはぎに力が入らない
受傷直後は痛みや腫れが強く、足首を動かすことが難しくなります。
診断
- 身体診察で痛みの部位、足の動き、腱の連続性を確認
この時点でほぼ診断がつくことが多いです。 - X線(レントゲン)検査で骨折の合併を除外
- 超音波検査でアキレス腱の断裂部位と範囲を確認
治療
治療には手術療法と保存療法があります。
どちらを選択するかは、年齢・活動レベル・職業などによって決定します。
手術療法
主にスポーツ復帰を目指す方、活動性の高い方に推奨されます。切れたアキレス腱を直接縫合し、強度を回復させます。術後はギプス固定を経て、早期からリハビリを開始します。早期の社会復帰・競技復帰が可能です。
保存療法
日常生活での歩行ができれば十分という方に選択されます。
特殊な装具(足首を底屈位に固定)を装着して、腱を自然に癒合させます。
約半年程度の治療期間が必要です。
リハビリを並行して行い、徐々に足首の可動域と筋力を回復させます。
手術に比べて再断裂のリスクがやや高いため、焦らず慎重なリハビリが重要です。
リハビリと経過
早期は装具・松葉杖での歩行訓練から開始。
3〜4か月で軽いジョギング、6か月前後で競技復帰が目安。
リハビリではふくらはぎの筋力回復・バランス訓練が中心となります。
予防と再発防止
- 運動前後のストレッチでアキレス腱を柔軟に保つ
- 急なダッシュやジャンプ動作を避ける
- ふくらはぎの筋力を維持・強化する
- 再断裂後は段階的に運動を再開する
アキレス腱断裂はスポーツをする人に多いケガですが、適切な治療とリハビリで元の生活・競技に復帰することが可能です。「後ろから蹴られたような痛み」を感じたら、すぐに受診をおすすめします。
